12年間コルセットをつけ続けたおばあちゃん
68歳になる女性の腰痛施術を行った。
12年前、腰と足の痛みが酷かった。香川県高松市の病院で、腰椎分離症と診断を受けそのまま手術を行った。
2年間は特に痛みもなかったが、それ移行だんだん腰が痛くなり、両足の足首から下に強い痺れを感じ始めた。
再度手術を使用としたが、家族の反対もあり、他の施術法で施術していくことに決めた。
接骨院や鍼灸、整体も行ったが一向に良くならない。
高松の病院では分離症手術後、定期的にレントゲンやMRIで分離症のその後の経過観察を行っていたが、3年前から愛媛大学医学部附属病院の脊椎センターで診察を受けている。
腰の骨の方は異常がないという。
当院で施術前の可動域検査を行った
検査自体での腰の痛みは無いようだった。
検査途中で「コルセット外したほうがいいですか?」
僕も声掛けしていないのが悪かったが、コルセットを外して再度検査をはじめた。
腰の前後屈、左右側屈は問題なかった。
両手を伸ばしあわせて左右の回旋検査をした時だった。
「これが出来ないんよ」
「?」
この女性は、両手を伸ばして上に上げることが出来なかった。
数回してもらったが出来なかった。
実はこの女性、最初に手術を受けた病院の主治医に、コルセットをしておくように言われ、
傷もふさがり、退院もしたあとも、腰が不安なようならコルセットをしても良いと言われたそうだ。
12年間コルセットを毎日付けていた事による筋力低下か?
立ち仕事をしているこの女性は腰に負担のかかるような事もしていたので、毎日コルセットを巻いて営業していました。
一般的にコルセットをつけ続けることは、筋力低下につながり長期にわたって使用するものではないとされている。
しかし、実際にそれを検証したというのも聞いたことが無く、今回このように目の前で起きたことが正直信じられなかった。
コルセットをつけ続けることがこのような筋力低下を生み出したのだろうか?
手を平行に持ち上げようとするがそれを維持できない。
腰の前で合わせるのがやっとなのがわかる。
腕に関連する筋肉、胸部の筋力も低下しているのだろうが、腹部の筋力や背部の筋力低下もこの動作が出来ないことに関係しているのではないだろうか?
姿勢を維持しようとする筋力が同年代の方に比べ低下しているのではないだろうか?
実際にコルセットを12年間付けた方を他に見たことが無いため同様の検証は出来ないが、少なくともこのベルトを巻き続けた事が、この方のこの年齢でなければならない筋力が明らかに低下しているのではないだろうか?
コルセット依存症
非常に真面目な方で、お医者様の言うとおりにしていただけだったのだが、今ではこのコルセットがないと不安でしょうがないという。
コルセット依存症になってしまっている。
この年齢からコルセットを外して生活するのに不安があるようだが、まだ立って歩くこともできるので、外して生活することが、リハビリになり、運動になる事をお話し、ムリをしないようにしながら外して生活することをお薦めした。
コルセットは腰痛を治すものでは無い
コルセットは腰痛を治すものではない。
仙腸関節の離開を防ぐ働きがあり、姿勢の制御や腹腔圧の上昇効果がある。
腰痛の方でコルセットを使用されている方は、重たい物を持つ時だけ等限定して使用されることや、一定期間以上の長期使用は避けることをおすすめします。
腰が痛くなる原因がありますので、それを改善していきましょう。
*介護関連でお仕事をされておられる方特にご注意を!
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