ネットに乱立している坐骨神経痛ストレッチ動画やHOWTOサイト
youtubeやネットでの記事、書籍で多くのストレッチが紹介されています。
中でもストレッチをすれば坐骨神経痛が治る!というようなものも見かけます。
- 「坐骨神経痛改善ストレッチ」
- 「坐骨神経痛と椎間板ヘルニアの痺れの治し方」
- 「坐骨神経痛ストレッチで治し方」
- 「坐骨神経痛改善簡単ストレッチ」
- 「ヘルニアに効く!自宅で簡単ストレッチ」
- 「坐骨神経解消ストレッチ!」
- 「●●式」腰痛改善ストレッチを5分だけ!たった数日でウソのように
どれも坐骨神経痛でお悩みの方ならクリックしてしまいそうなタイトルです。
そもそもストレッチってなに?
ストレッチとは
スポーツや医療の分野においてストレッチ(stretching)とは、 体のある筋肉を良好な状態にする目的でその筋肉を引っ張って伸ばすことをいう。筋肉の柔軟性を高め関節可動域を広げるほか、呼吸を整えたり、精神的な緊張を解いたりするという心身のコンディション作りにもつながるなど、いろいろなメリットをもたらす。
引用:wikipedia
限界まで筋の起始停止を引き離す運動のことで、組織を引き延ばす手段のことです。
ストレッチで改善するのかと言う点
ここで重要な点はストレッチの定義とは「筋肉を引っ張って伸ばすことをいう」というところです。
当院に来られる坐骨神経痛の患者様の殆どの原因は、筋筋膜の硬結によるもので、関節の可動域制限や神経の絞扼などがみられて臀部から下腿にかけての痛みや痺れにつながっている場合がほとんどです。
当院はその筋筋膜の硬結を「筋の弛緩」を行い痛みや痺れを取り除くということを行っています。
では「筋の弛緩=筋の柔軟性」を出す際に当院で「ストレッチ=筋肉を引っ張って伸ばすこと」を施術で行っているか?というと
答えは行っていません。
そして坐骨神経痛を改善させている私の知人の先生たちは皆さん施術中にストレッチを行っていないという事実
身体が硬ければストレッチをするのか?
当院にはスポーツをしている学生がよく来られます。
身体が硬ければストレッチをするように言われているようです。
果たしてそうなのでしょうか?
硬く強張った筋筋膜を伸長させて柔軟性が出るのでしょうか?
(身体が柔らかくても筋肉は固い場合が大いにあります)
ストレッチをすると筋出力は下がる
余談ですが、ストレッチをすると筋出力は下がります。
継続的に力を入れた状態を維持しなければいけないスポーツや競技において直前のストレッチは筋出力を低下させると言われています。
当院に来られているアームレスリング元全日本チャンピオンの方も試合前のストレッチは行わず、試合後に入念にストレッチを行うと言われておられました。
坐骨神経痛にストレッチ
話をもどして、坐骨神経痛にストレッチを行うとどうなるのでしょうか?
最初に挙げたクリックしたくなるようなタイトルの動画や記事とあわせてこのような記事もあります。
- 「腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛のストレッチ体操後の痛み、悪化」
- 「間違ったストレッチや運動で坐骨神経痛が悪化」
- 「坐骨神経痛のストレッチで悪化したのですがどうすれば・・・」
坐骨神経痛も人それぞれです。人間の個体差があるように坐骨神経痛も複雑に人それぞれ異なります。
その人にたまたま合うストレッチであれば、たまたま改善するとうことはありえるかもしれません。
ただこれは、
「ストレッチや体操でたまたま坐骨神経痛が改善する人がいた」ということであって「ストレッチでほとんどの方の坐骨神経痛の人に有効」ということではありません。
ストレッチや体操をしてかえって坐骨神経痛の痛みが強くなるという方もおられますし、そもそもそのストレッチができるような状態ではないくらい痛みや痺れがあるという方も多いのではないのでしょうか?
最近は自分で坐骨神経痛を改善する!というようなDVDも販売されています。
過去に来られた患者さまがネットでよく見かける有名なDVDを購入されておられ方の借りてみさせてもらいましたが、びっくりするくらいひどいものでした(^_^;)
先ほど話しの中で出てきた通り施術において当院ではストレッチ的な要素を盛り込んだ施術ではないため極端な話 坐骨神経痛にストレッチは有効ではないと考えております。
少なくとも他動的にストレッチを行うと痛みが増す場合が多く、過去には自分も未熟出会ったために悪化させたケースも有ります。
ストレッチ(引っ張る)ではなく逆に弛ませる
坐骨神経痛で痛みがひどい場合に有効な肢位があります。
すべての方に有効ではありませんが、うつ伏せで痛いほう側の膝をまげていく(カエルのような足とも言います)とどうでしょうか?
これは身体の外側の筋膜ラインのラテラルラインを弛ませた状態になります。
神経は絞扼されたり伸張すると痛みが増します。
このカエル足の肢位では部分的に伸張している筋肉もありますが、体全体のラテラルラインからすれば短縮位になっているため筋の緩みの肢位となるため痛みが軽減や消失するポジションでもあります。
ストレッチで悪化するような状態であればぜひこの肢位をためしてみてはどうでしょうか?
まとめ
ストレッチで坐骨神経痛を改善できるかどうかというのは身体の個体差があり一概にはいえない。
ただ経験上 増悪するケースが多いので無理をないで欲しいというのが当院での答えになります。
筋筋膜を引っ張るのではなく弛ませてから弛緩させるほうが身体にも負担がかかりにくく施術自体も痛くはないのです。
お近くの方はぜひ当院にひどい坐骨神経痛を改善するためにご相談くださいませ。