「リトルリーガーズ・ショルダー」
上腕骨近位骨端線離開
リトルリーガーズショルダー(Little leaguers shoulder)は、少年野球の選手に多くみられる肩のスポーツ障害で、上腕骨の近位骨端成長軟骨板の炎症あるいは損傷である。
リトルリーガー肩、リトルリーグ肩、少年野球肩ともいう。
上腕骨(上腕の骨)のように長い骨を長管骨と呼ぶ。ヒトの誕生直後は、長管骨の骨端(骨の両端)は軟骨でできており、成長とともに骨化が進む。したがって、成長期の子どもの上腕骨においては、骨端に骨化前の軟骨が存在する。
投球動作で腕を強く振ると、フォロースルーにおいて上腕骨近位(頭に近い側)の骨端成長軟骨板に強い力がかかり、炎症あるいは損傷が発生する。引用:wikipedia
8イニング球数100球超え
この痛みが出たのは 練習試合で同点の為8イニング、100球の球数を超える試合を終えた後だった。
学童野球での投球制限は下記にあるように7イニングとまでしかなく同点であれば、最大9イニングまで投げられるとある。
野球肘や野球肩と呼ばれるものもこの学童野球では特に気を使っていなければならない。
本人ができると言っても指導者はガイドラインに沿った育成や試合運びを行わなくてはいけない。
この100球投げた日、この保護者は試合を見に行けなかったと言う。
他の親御さんから「今日は投げすぎていたよ」と聞かされ心配していた矢先、心配していたことがおこった。
愛媛県からこられた小学四年生の彼は整形外科で1ヶ月前リトルリーガーズショルダーと診断を受けた。
安静にして投球しないようにとのこと。
大好きな野球が出来ない・・・・・
休んでも痛みが改善しない涙するお子さんをみて今回ネットで調べて来院してくださりました。
学童部小学生の投球制限について
学童野球に関する投球数制限のガイドライン
1 試合での投球数制限について 1日70球以内とする。
2 練習での全力投球数について 野手も含めて1日70球以内、週に300球以内とする。
3 練習について 1週間に6日以内、1日3時間を超えないこととする。
4 試合について 練習試合を含め、年間100試合以内とする。
5 選手の障害予防のための指導者へのガイドライン
① 試合をしないシーズンオフを少なくても3ヵ月をもうける。
② 練習前後のウォーミングアップ、クーリングダウンは少なくともそれぞれ20分以上行う。 ③ 複数の投手と捕手を育成する。
④ 選手の投球時の肩や肘の痛み(自覚症状)と動き(フォーム)に注意を払う。
⑤ 正しい投げ方、肘に負担をかけないための投げ方への知識を高める。
⑥ 選手の体力づくりに努める。
⑦ 運動障害に対する指導者自身の知識を高める。
⑧ 勝利至上主義から育成至上主義への学童野球のイノベーション。
⑨ 医師の検診結果への充分なる対応をしていく。公益財団法人 全日本軟式野球連盟参照
今回のこのお子さんのように公式試合ではなく練習試合で8イニング100球も投げさせる必要があったのか、親御さんも疑問を通り越して憤りを感じておられる様子だった。(2016年記事)
メジャーのピッチャーでさえ100球程度でマウンドを降りるよう状態である中で小学4年生が100球も投げたら明らかに故障するのはあきらかである。
まれに小学生で170cm近い身長があるお子さんがいるが、今回のこの子は逆に言えば少し背の小さめのお子さんであった。
肩だけではなかった
診断を受けた肩以外に肘をチェックすると、肘の内側が押したら痛い状況に。
今回は投球時に痛みのある肩を施術することにした。
当院での野球肘や野球肩の治療では特殊な電気治療器を用いる。
少し前にも肘が伸びない野球肘を治療したばかり。
1回で肩は改善
リトルリーガーズショルダー:上腕骨近位骨端線離開と診断を受けた肩だったが、1回の治療で痛くなくなった!
外での投球テストでも痛みなし!
あれだけ痛がっていた肩の痛みが改善したのにはお母さんも驚かれていた
肘は2回目に行うことにした。
数日後今回はおばあちゃんが一緒に付き添ってくださって来院された。
おばあちゃんもお孫さんの肩の状態には心配なさっていた様子だったが、2回目の治療で肘も痛くなくなって大変喜んでおられた。
肩と肘今回は2回で改善!
今回は2回で痛みは改善したから良かったものの、無理な投球数は野球少年の将来の目をつむようなもの。
こちらでも書いたが、スポーツ指導者にはお子さんの状態を把握しながら指導していただきたいです。